退職祝いのプリザーブドフラワーを、バラ以外で|ご仏前にも飾れるジニアのアレンジ
こんにちは。長野県松本市のアトリエ・フェアリールの、プリザーブドフラワーデザイナー小野梨花です。
「プリザーブドフラワーで、バラ以外のお花を使って作っていただけますか」
退職される方への贈りもののご相談は、そんなお電話から始まりました。
プリザーブドフラワーに関わって20年。この花の世界では、いつもバラが主役です。種類も色も、いちばん豊富にそろうのはバラ。
だからこそ「バラ以外で」というご要望は、作り手のわたしにとって、すぐには答えの出ない、難しいご相談でした。
けれど、お話を伺ううちに、そのひと言の重みが変わっていきました。
贈る方は、退職されるご本人に、どんなお花がほしいかを前もってきちんと聞いてくださっていたのです。「バラ以外で」は、ご本人の願いでした。そしてその理由は、「ご仏前にも飾れるように」。
贈る方が、相手の声を、そのまま大切に運んできてくださった。
それなら、わたしの仕事は、その願いを花の形にすることです。
この記事でわかること
結論:退職祝いのプリザーブドフラワーは、バラ以外のお花でもお作りできます。「ご仏前にも飾りたい」というご希望を受けて、可愛すぎないジニアを中心に、白い花瓶と明るい色で仕立てた、退職祝いのお花の物語です。
- 「バラ以外で」「ご仏前にも」というご相談
- ジニアを選んだわけと、ジニアの花言葉
- 贈る方が重ねてくださった、受け取る方への想い
- 退職祝いのお花を考えている方へ

「ご仏前にも」という願い
退職の記念に受け取る花を、自分のお部屋だけでなく、手を合わせる場所にも置いておきたい。
それを伺ったとき、このお花は、ご本人ひとりのためのものではないのだと思いました。ご家族や、心の中にいる大切な方とも分かち合う花。
お祝いの花でありながら、静かに手を合わせる時間にも寄り添う花。そう思うと、いっそう丁寧に向き合いたくなりました。
探して、迷って、たどりついたジニア
プリザーブドフラワーは、やはりバラが中心の世界です。
バラ以外のお花は種類も流通も限られていて、ご希望に合うものを探すのは、正直に言うと、とてもむずかしいことです。
それでも、むずかしいご相談ほど、作り手としては燃えるものです。
手に入る花材の中から、いくつかの組み合わせを考えて、ご提案しました。
そのとき、心に留めていたのが、「可愛すぎないものがいい」というひと言です。
バラ以外の華やかな花というと、ガーベラやひまわりも浮かびます。けれど、どちらも明るく元気で、今回の方には少し可愛すぎるかもしれない。
そうして選んだのが、ジニアでした。
ジニアは、和名を百日草(ヒャクニチソウ)といいます。初夏から秋まで、長いあいだ咲き続ける花です。
深い紫や赤のジニアには、明るさの中に、凛とした落ち着きがあります。
ジニアの花言葉は「不在の友を想う」
ジニアには、「不在の友を想う」「いつまでも変わらない心」「絆」「幸福」という花言葉があります。
ほかの花が咲き終わっても咲き続ける姿が、離れた友を想い続けているように見えたことから、と言われています。色別には、赤に「幸福」「絆」、紫に「追憶」といった花言葉が当てられることもあります。
職場を離れても、一緒に過ごした時間は消えません。
会う機会が少なくなっても、想う気持ちは変わらない。
そして、手を合わせる場所では、大切な方を想う時間に、そっと寄り添ってくれる。
退職のお祝いと、ご仏前。そのどちらにも似合う言葉をもった花だと思います。

「不在の友を想う」は、言葉だけを見ると少しさみしく聞こえるかもしれません。でも、離れていく方へ「これからも想っています」と伝える花だと思うと、こんなにあたたかい言葉はないと感じます。
重ねてくださった言葉に込められていたもの
お電話のあとは、+メッセージでお写真をやりとりしながら、少しずつ形を決めていきました。
受け取るご本人のご希望は、白い花瓶に、明るい色のお花。でも、ブルー系ではないもの。
そこにご予算を伺って、花材を選んでいきました。
贈る方は、何度も何度も悩んでくださいました。
「こんな感じがいいかな」
「明るいけれど、子どもっぽすぎないほうがいい」
ひとつひとつの言葉を、相手の方の顔を思い浮かべながら、確かめるように選んでくださっているのが伝わってきました。
そのやりとりを重ねるうちに、わたしは思いました。
ああ、きっと、長い時間をともにしてきた大切なお仲間なのだな。
職場の同僚という言葉では足りない、お友達なのだな、と。
相手のことを考える時間が長い贈りものほど、その時間ごと、お花に宿るように感じます。
わたしはいつも、贈る相手を想う時間も、贈りもののひとつだと思っています。今回のお花は、まさにその時間から生まれました。
できあがったお花

深い紫と赤のジニアに、やわらかなピンクの花を重ねて。
白い花瓶からこぼれるように、グリーンの実を添えました。
明るいけれど、可愛すぎない。
お部屋に置けば日々をそっと明るくしてくれて、ご仏前に置けば静かに寄り添ってくれる。
そんなお花になっていたらいいなと、願いを込めてお渡ししました。
相手の方のことを、こんなにも想って言葉を重ねてくださったこと。
ご本人の気持ちまで、きちんと聞いてくださったこと。
そのおかげで、迷わずに花と向き合うことができました。贈る方にも、受け取る方にも、感謝の気持ちでいっぱいです。
退職祝いのお花を考えている方へ
大人になると、「ありがとう」や「これからも大切に想っています」を、まっすぐ伝えるのは少し照れくさいものです。
でも、お花なら、その気持ちを言葉の代わりに届けてくれます。
- バラ以外のお花でもお作りできます。ジニアのほか、ガーベラ、ひまわり、あじさい、カーネーション、ランなどがあります。ただ、バラ以外のお花は種類も流通も限られ、季節によって手に入らないこともあるので、早めにご相談ください。
- 受け取る方のご希望がわかると、迷いません。好きな色や苦手な色、器の好み、飾る場所。サプライズのときは、その方の持ちものの色やお部屋の雰囲気を教えていただくだけでも大丈夫です。
- 受け取る方の手間になりません。プリザーブドフラワーは水替えがいらないので、お部屋でもご仏前でも、そのまま長く飾っていただけます。
まだうまく言葉になっていなくても大丈夫です。
どんな方なのか、どんな時間を一緒に過ごしてきたのか。お話を聞かせてください。その中に、きっとお花の形があります。
退職祝いや、お世話になった方への贈りもののご相談は、オーダーギフトのページからどうぞ。ご仏前に飾るお花はお供えの花、これまでにお作りした贈りものはオーダー作品でご覧いただけます。
ご紹介している作品とお話は、お客様の了解をいただいたものです。
フェアリールのご案内
- プリザーブドフラワーが何年もつのか、長くきれいに飾るコツはプリザーブドフラワーについてでご紹介しています。
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